近年、アメリカで深刻な社会問題となっている合成麻薬「フェンタニル」の乱用が、日本にも影を落とし始めています。特に、大阪の西成地区では「ケタペン」という名称で密売されているとの報道もあり、警戒が必要です。
フェンタニルとは？
オピオイドμ受容体に選択的に作用するピペリジン系合成麻薬性鎮痛薬のことで、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬に指定されています。
薬理作用はモルヒネと同様ですが、鎮痛作用はモルヒネの80〜100倍強く、毒性も強いものです。
脂溶性が高く、作用持続時間が短いのが特徴です。
副作用には、呼吸抑制・吐き気・嘔吐・眠気・多幸感・頭痛・鎮痛・抑鬱・掻痒・発汗などがあります。
モルヒネと比較すると、便秘・吐き気・めまいなどの副作用が少ないと言われています。
精神依存・身体依存・耐性を形成します。
アメリカにおけるフェンタニルの脅威
アメリカでは、フェンタニルの乱用による過剰摂取が急増し、2021年には薬物過剰摂取による死者数が10万人を超え、その多くがフェンタニルに関連していると報告されています。
この状況を受け、アメリカ政府は中国やメキシコの関係団体や個人に対し、制裁を科すなどの対策を講じています。
トランプ大統領は製造国の中国や仲介国のカナダ・メキシコに対しても強硬な対策を打ち出しています。
その影響か、アメリカから締め出されたフェンタニルが日本へ流入しているようです。
日本の西成でもフェンタニル乱用者
大阪の西成でもフェンタニル乱用者と見られる人が現れたようです。
まるでゾンビのような、奇妙な姿勢で歩く人物が投稿されています。
アメリカで見るフェンタニル中毒者と同じようにみえます。
日本の現状と課題
日本においても、今後増えると見られているフェンタニルを含む違法薬物の密輸や乱用が懸念されています。
2024年1月には、東京で各国の捜査機関が集まり、違法薬物に関する国際会議が開催され、フェンタニル問題の深刻さが共有されました。
また、2018年には「第五次薬物乱用防止五か年戦略」が策定され、密輸対策の強化や未規制物質への対応が盛り込まれています。
日本が取るべき対策
1. 水際対策の強化：税関や警察の連携を強化し、最新の検査機器を導入することで、違法薬物の密輸を未然に防ぐ体制を整備する必要があります。
2. インターネット上の監視強化：匿名性の高いウェブサイトやSNSを利用した密売が増加しているため、サイバーパトロールを強化し、違法取引の情報収集と摘発を行うことが重要です。
3. 国際的な連携の深化：フェンタニルの主要な供給源である国々との情報共有や共同取締りを推進し、国際的な密輸ネットワークを断つ努力が求められます。
4. 教育・啓発活動の推進：若年層を中心に、薬物の危険性や依存性についての教育を徹底し、乱用防止の意識を高めることが必要です。
5. 治療・リハビリテーションの充実：依存症患者への適切な医療提供と社会復帰支援を行うことで、再犯防止と社会全体の安全を確保することが重要です。
まとめ
フェンタニルの脅威は、決して他人事ではありません。
日本もこの問題に対して迅速かつ効果的な対策を講じることで、国民の安全と健康を守る責任があります。
一人ひとりが薬物の危険性を認識し、社会全体で取り組む姿勢が求められています。
皆さんは日本の薬物汚染に対してどのように感じましたか？
コメント